皆さん「英語」と聞いたら何を考えますか?
十数年前には自分もぴゅーっと逃げ出すうちの一人でしたし、挫折や苦労話でかなり盛り上がれるお題のひとつですよね。
でもここでは少し真面目に「アプリ開発者としての目線」で「英語を学習する利点」についてお話ししてみようと思います。
もちろん今だに苦労することもありますが、過去に取り組んだいろいろな「課題」の中で、続けてきて良かったと思えるものの第一位と言ってもいいかもしれません。
アプリ開発者に限定してもしなくても、「英語」は本気で向かい合う価値のある課題だと自信を持っておすすめできます。
(執筆者:オブさん)
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この記事の内容は?
2言語対応のアプリを作成できる
まずこれがいちばん直接的な利点ですよね。英語ローカライズによって、自分のアプリを本当の意味で全世界向けに公開することができます。
言語に関して言うと、確実に世界は英語を基準にして回っています。開発者用の国別統計グラフなどを見ているとわかるのですが、英語がまったく関係ない国でも少しずつアプリのユーザは増えていきます。
つまり、英語対応で潜在的に獲得可能なユーザ数は、「第二言語を含む英語圏の人数」などとして一般に公開されているものより多いのです。
日本語のアプリを世界向けに公開しても同じ広がり方はしませんから、やはり英語は汎用言語として浸透していると言えます。
新しい情報を「新しいまま」得られる
技術関連の情報発信元も英語圏が中心になっていますから、新しいトピックについての情報を「新しいまま」得るには、英語でのリサーチは必須です。
残念ながら、日本語に翻訳されるのを待っている時点で、「世界の他の開発者からは少し遅れてしまう」のです。新しい製品なども、英語版と日本語版の発売日が異なることはよくありますよね。
OSや開発環境の不具合に関するニュースなど、中には緊急な状況把握を要するものもありますし、それらに関する技術的な一時対応策が議論され始めるのも英語圏を中心としたコミュニティなどですから、やはり英語でアンテナを張っておけるのが理想です。
英語がわかるとテクニカルな問題が解決しやすい
アプリ開発者はかなりの時間を何かの調査に費やしますから、その部分を効率化できるというのはとても大きな意味を持ちます。
特にプログラミングでは、どうしても日本語での検索だけでは解決しなかったのに、範囲を英語圏全体に広げたとたんに「あっさり解決した」という経験がかなりあります。
検索結果、つまり情報を提供してくれる人が多ければ、同じような箇所で試行錯誤している人も多くなるわけですから、その中で「既に解決に至っている人」を見つけられる確率が高くなるのも当然と言えば当然ですよね。
海外の動画チュートリアルを活用できる
この場合、「リーディング」ではなく「リスニング」のスキルが必要になりますが、英語の動画チュートリアルを利用できるようになると、新たな技術や知識習得にかかる時間をかなり短縮できます。
目的のお題を日本語で提供しているものを毎回探すのは難しいですが、英語であれば公式も含めてほぼ問題なく見つかります。
また、チュートリアル自体が更なる英語学習も兼ねますから、ある程度リスニングが上達しているなら積極的に取り入れるべき方法だと思います。
例えば日本人にも馴染みにある動画学習サイトのUdemy(ユーデミー)もより効率的に使用できるようになりますね。
日本語の動画も増えてきましたが、まだまだ英語の動画のほうが圧倒的に多いです。英語の動画で学習できればよりスピーディにスキルアップすることができるでしょう。
アプリのユーザの評価に影響する場合がある
ゲームなどは、説明を読めないのがわかっていても試しに遊んでみる、という海外の人が多いようで、英語対応を熱望するコメントに他ユーザの「いいね」がたくさん付いていたり、英語対応後に感謝の言葉を追記して高評価に変更しているものなどを見かけます。
モバイルアプリの開発をするようになってから、自らダウンロードした「よそ様のアプリ」は、かなり過去までさかのぼってユーザのコメントをチェックしているのですが、このように、英語対応によってユーザ評価に好ましい影響を与えるケースもたまにあります。
ユーザからのメールにあたふたすることがなくなる
たとえば、「ここの機能はこうするともっと良くなるはず。テストは手伝うからぜひ対応して」とか、「僕の国の言語に翻訳しようか?」など、アプリのコメント欄ではなく、開発者情報として登録しているメールアドレスに直接意見を寄せてくれるユーザもいます。
ただの感想や、他からもよくある機能のリクエストならほぼ定形の返信で済むのですが、上記の例のようにオファーが含まれる場合などには、自分なりの回答を組み立てる必要があります。
今までの経験では、メールで直接コンタクトしてきたのはほとんどが海外のユーザで、その場合は国にかかわらずすべてが英文でした。
公開国を日本に限定していない限りは常にあり得るケースです。そして、大切なユーザからのメールですから、必ず返信しなければなりませんよね。
翻訳ドキュメントの不具合で時間をとられなくなる
翻訳されたものである限り、公式のSDKドキュメントなどでも「誤訳」はあります。また、アップデート後などで日本語訳側に変更部分が反映されていないケースもたまに見受けられます。
完全に訳文を前提条件として作業してしまうと、コンパイラの動作とリファレンスの説明の「矛盾」に気付かず右往左往するような状況になってしまうこともありますから、翻訳にもバグ、つまり人的なミスが存在する可能性があるという前提で考えておくべきです。
さて、ではすべて原文から情報を取得するかというと、それはそれで作業速度にかなり影響しますから、個人的には「メソッドのリファレンスなど、確実な正確性が必要なら英語版」、「長文の斜め読みで概要を把握したい場合は日本語版」のように使い分けています。
いずれにせよ、作業を止めることなく、ちょっと何かおかしいかも?と思った時点ですぐ原文ドキュメントに切り替えて読み進められるというのは、やはり便利です。そもそも翻訳作業が進行形で、オリジナルと翻訳後のドキュメントが混在している場合もよくありますよね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、アプリ開発者としての目線から「英語を学習する利点」をいくつかあげてみました。
意識して習得する方向に考え始めてから長い年月がたちますが、やはり英語は「覚えたら覚えた分だけ役にたつ汎用ツール」だと思います。
特に何かを調べる時に得られる「情報の濃さ」、それに費やす「時間の短縮」にはかなりの影響があります。
もちろん、アプリ開発以外にも、海外旅行やSNSでの異文化コミュニケーションなど、「楽しいオマケ」も付いてきますから、皆さんもこれを機会に英語の使用量を「ちょっぴり」増やしてみるというのはいかかですか?
以上、「アプリ開発者に英語学習をおすすめする7つの理由」のご紹介でした。